経営の『見える化』を考える


【見える化】とは、 ことばの整理
 「見える化」とは、「一般に私たち人間が直接、目で見ることのできない現象や活動を、
画像や図表などを用いてはっきり目に見えるようにすることによって、経営の実態把握や
改善に役立てようとする作業」を指している。

 類義語には「可視化」があり、英語では「Visibility」とか「Visualizaition」という。

 つまり、企業活動に必要な情報や事実、数値などを「見える」ようにすることであり、
見る側の意向にかかわらず目に飛び込んでくる状態をつくることが基本になる。
また、「見える化」はトヨタ生産方式とも深いつながりがあり、”
JIT(ジャストイ
ンタイム)
”と”自働化”を両輪とするトヨタ生産方式から発生しているともいわれて
いる。

 
3つの【みえるか】
「みえるか」と呼ばれる概念には「観える化」「視える化」「診える化」の3つの概念がある。

「観える化」・・・「深く見る」とか「細部を見る」のとは逆に、全体を見ようとするう際に使う
       用語。

「視える化」・・・単に事実や数値を把握するだけでなく、さらに掘り下げてより深く見ようとす
       る際に使われ、事実や数値を突っ込んで解析しながら本質や真因を注意深く見
       ようとする意味が込められている。

「診える化」・・・具体的な問題を特定するためにさらに細部を見ようとする際に使われ、医学に
       おける診断に似ている。

 
実務上での「見える化」の活用法
 実務面では、SCM、在庫管理、物流センター管理、配達管理などで「見える化」が実践さ
れている。
 例えば、「在庫管理の見える化」の実例として、
 @ 在庫が合っていること
   (実在庫と情報システム在庫の一致)
 A 在庫の現状分析
   (どこにどれだけの在庫があるか、在庫の定義と共通化など)
 B 在庫の数値化、指数化
   (在庫水準、在庫回転率、在庫日数など)
 C 在庫発生の制約条件の明確化
   (リードタイム、調達・販売政策、調達能力、生産能力、販売波動など)
 D 目標設定と取り組み
  (在庫量のコントロール、需要トレンド分析、定期的な発注点の見直し、
   新製品・特売管理、予測精度の向上など)   がある。

=そのほかの「見える化」概念の使用例=
 経営の見える化
 物流の見える化
 ロジスティックスの見える化
 サプライチェーンの見える化
 現場の見える化
 サービスの見える化
 工場の見える化
 業務の見える化
 コストの見える化
 在庫の見える化
 情報の見える化
 顧客の見える化
 ものづくりの見える化
 環境性の見える化
 管理会計の見える化
 物流コストの見える化
 在庫管理の見える化
 作業進捗の見える化
 物流センターの見える化
 生産・物流管理の見える化
 人の能力の見える化
 エネルギー消費量の見える化
 経営情報の見える化
 物流現場の見える化
 ものづくり現場の見える化
 時間と価値の見える化
 品質管理フローの見える化
 物流プロセスの見える化
 電力消費量の見える化
 物流におけるムダ・ロスの見える化
 有益な情報の見える化
 商品資産の見える化
 行動と結果の見える化

   
Write:2008/09/28