平成16年4月から消費税が改正されます。
これまで免税事業者が大半だった我々小規模事業者にも、納税義務が生じることになります。
消費税は”お客様からの預り金”です。
経営環境が厳しいこの時代に、消費税を納めることにも窮することは確かですが、
愛するお客様が負担してくれた税金です。
今一度、この制度の内容を理解し、自社の対応策に早めに手を打っておきましょう。
1.用語解説 | |
1)基準期間 | 課税期間の前々年事業年度をいう。 |
2)課税期間 | 納付する消費税額の計算の基礎となる期間。 |
3)課税売上高 | 課税取引の税抜き売上金額から売上返品・売上値引きを控除した残額。 |
4)免税事業者 | 消費税の納税義務が免除される事業者。 基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者。 |
5)課税事業者 | 消費税の課税事業者。基準期間の課税売上高が1,000万円を超える事業者。 新設法人の場合、資本金1,000円以上の法人は設立当初から課税事業者となる。 |
6)本則課税制度 | 課税売上に係る消費税額から、課税仕入に係る消費税額を差し引いて消費税額 を算出する計算方法。 |
7)簡易課税制度 | 課税売上に対して業種に応じたみなし仕入率を乗じて、簡易に消費税額を算出 する計算方法。 【みなし仕入率】 第一種事業(卸売業) 90% 第ニ種事業(小売業) 80% 第三種事業(製造業等) 70% 第四種事業(その他事業) 60% 第五種事業(サービス業等)50% |
2.改正消費税の概要 | |
改正の時期:平成16年4月1日以後開始する課税期間から 【移行スケジュール】 個人 基準期間:平成15年 ⇒ 課税期間:平成17年 法人 基準期間:平成14年 ⇒ 課税期間:平成16年 |
|
1)事業者免税点の引き下げ | 納税義務が免除される基準期間の課税売上高の上限が1,000万円 (現行3,000万円)に引き下げられる。 ※基準期課税売上高の簡便計算特例:H15.10.1〜H15.12.31の課税売上高の4倍によ り求めた額を基準期間の課税売上高とすることができる。 |
2)簡易課税の適用上限 引き下げ |
簡易課税制度を適用することができる基準期間における課税売上高の 上限が5,000万円(現行2億円)に引き下げられる。 |
3)中間申告の申告・納付 回数の改正 |
【中間申告の回数】 確定消費税額48万円以下 中間申告不要 〃 48万円超 年1回(1/2相当) 〃 400万円超 年3回(1/4相当) 〃 4,800万円超 年11回 |
4)総額表示の義務付け | 課税事業者は消費者に対する取引において、取引価格を表示する場合 は消費税額(5%相当)を含めた価格で表示しなければならない。 【例】10,290円、10,290円(税込)、10,290円(本体価格9,800円)、10,290円 (うち消費税490円)、10,290円(本体価格9,800円、消費税等490円) 各業界の取り組み状況(出展:03.02.24日経ほか) |
5)レジシステム変更の 特例措置 |
レジシステムを「税込価格」を基に計算するレジシステムの移行が施行日 (H16.4.1)に間に合わない場合、総額表示義務を履行していることを要件 に「税抜価格」を前提とした現行の端数処理の適用が3年間(平成19年3 月31日まで)に限り認められる。 |
3.具体的なスケジュール | 【個人事業者のケース】 | |||
平成15年決算時 | 課税事業者の判定 → 「消費税課税事業者届出書」を速やかに提出。 | |||
平成16年12月31日まで (簡易課税を選択する場合) |
「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出。 (以後、2年間以上継続しなければならない。) |
|||
本則課税で申告する場合 | 課税仕入等の事実を記載した帳簿及び請求書の両方を保存する義務。 (7年間) 帳簿の記載事項:仕入先氏名・名称、取引の年月日、仕入の内容、仕入額 |