経営革新支援法の要点

 国では、中小企業が自らの経営課題を解決するために取り組む「経営革新」を幅広く支援策を用意しています。
 ここでは、この「経営革新支援法」について要点をまとめてみます。
 この機会に自社の強みを生かして経営革新に取り組みませんか?!


経営革新支援法とは?
 経営課題にチャレンジする中小企業の経営革新を全業種にわたり、幅広く支援するものです。

 中小企業単独はもとより、異業種交流グループや組合等へも支援しているので、技術連携などにも活用しや
すいでしょう。

 経営革新法では、事業者が経営向上に関する目標を設定し、その経営目標を達成するための経営努力を促す
施策を用意しています。(以下のとおり)

 
経営革新支援法の承認申請
この法律の適用を受けることができるのは、中小企業者又は組合等です。

(1)都道府県担当部局への問い合わせ(商工会等が窓口)
 
(2)必要書類の作成、準備
   (
商工会等が申請書の書き方、ビジネスプランの書き方を指導)
 
(3)都道府県担当部局等へ申請書の提出
    担当部局と十分な打合せを行う。
 
(4)都道府県知事等の承認
    承認は支援措置を保証するものではなく、各種支援策を活用できるようになったということ。

   
経営革新とは?
 経営革新支援法における「経営革新」とは、新たな取り組みによる経営の向上をいい、以下の4種類に該当す
る新たな取り組みをいいます。
(1)
新商品の開発又は生産
(2)
新役務の開発又は提供
(3)
商品の新たな生産又は販売の方式の導入
(4)
役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動

 ここでいう「新たな取り組み」とは、個々の中小企業者にとって「新たなもの」であれば、既に他社において
採用されている技術・方式を活用する経営革新計画をいいます。 

   
経営革新計画について
 経営革新支援法では、事業者が経営の向上に関する目標を設定することにより経営目標を達成するための
営努力を促す
ための支援策です。

 経営革新計画として承認されるためには、以下の目標設定をしなければなりません。

 目標の設定

  (1)計画期間・・・計画期間は3〜5年で設定します。

  (2)目標とする経営指標・・・
      
「付加価値額」又は「1人当たりの付加価値額」を使用し、目標伸び率を設定します。
      5年であれば15%以上4年であれば12%以上3年であれば9%以上の目標伸び率である必要が
     あります。

      注)付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
      
注)1人当たり付加価値額 = 付加価値 / 従業員数

   
経営革新支援法の支援措置
1.中小企業経営革新事業に係る補助金
  【補助対象事業】
   @ 新事業動向等調査事業
   A 新商品・新技術・新役務開発事業
   B 販路開拓事業
   C 人材育成事業
  【連絡先】都道府県担当部局又は地方経済産業局
(下記支援先)

2.低利融資制度
  【貸付対象】設備資金、長期運転資金
  【貸付限度額】設備資金:7.2億円、長期運転資金:2.5億円
        (国民生活金融公庫では設備資金7,200万円、運転資金4,800万円)
  【貸付利率】特別利率(別途問い合わせ)
   ※担保が不足する中小企業向けに、8,000万円を限度に融資額の1/2まで担
    保徴吸の免除措置があります。(中小公庫、商工中金)
   ※第3者保証人が困難な場合、1,500万円を限度として、家族や社内の方を保
    証人とできる措置があります。(国民公庫)
  【連絡先】中小公庫:
http://www.jfs.go.jp/
       商工中金:
http://www.shokochukin.go.jp
       国民公庫:
http://www.kokukin.go.jp

3.信用保証の特例
  (1)普通保険等の別枠の設定
      運転資金の事業資金等に関し、
通常の付保限度額と同額の別枠を用意。
      
普通保険:2億円、無担保保険:8,000万円、特別小口保険:1,250万円
  (2)新事業開拓保険の限度額の引き上げ
      新事業開拓保険の対象となるもの(研究開発費用)について、付保限度額が拡充される。
      企業:2億円→
3億円
  【連絡先】全国信用保証協会連合会:
http://www.zenshinhoren.or.jp/

4.税制措置
  (1)設備投資減税   
※中小企業税制参照
     @取得又は製作の場合:特別償却率 取得価額の30%
                税額控除率 取得価額の7%
     Aリースの場合   :税額控除率 リース総額の60%のうち7%
  (2)欠損金の繰戻還付 
※中小企業税制参照
     欠損金が生じた場合、1年前にさかのぼって法人税の一部を還付できる。

5.新規・成長分野雇用創出特別奨励金
 経営革新計画を承認された事業主が、「非自発的な理由で失業を余儀なくされた労働者」や「公共職業訓練
等受講者を雇用する場合」や「能力開発」を実施する場合、奨励金が支給される。
  【連絡先】(財)高年齢者雇用開発協会:
http://www.assoc-elder.or.jp/

6.雇用対策特例法の特例
 経営革新計画を承認された事業主が、45歳以上の労働者を新たに1人以上雇い入れる場合、「中小企業労
働力確保法(労確法)」の認定を受けることにより、助成金を受けることができる。
  【連絡先】雇用能力開発機構:
http://www.ehdo.go.jp/

7.研究開発型中小企業に対する特許関係料金
 技術開発による経営革新計画の承認を受けている場合、その事業により生じる特許の「審査請求料」と「第
1〜3年分の特許料」について1/2の減税措置を受けることができる。
  【連絡先】特許庁:
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/index.htm

8.その他
 上記支援措置に加えて、小規模企業者等設備導入資金助成法の特例、高度化融資制度、新事業開拓促進出資
事業、中小企業投資育成株式会社の特例等、支援措置が用意されている。

 
問い合わせ支援先一覧  
東北経済産業局中小企業課
 電話 022−222−2425

秋田県企業支援センター
 電話 018−860−5514

中小企業庁のホームページ http://www.chusho.go.jp