なぜ中小企業は借りにくいのか??!!

中小企業にとって最も重要で、最も弱点と言わざるを得ない「金融」。
中小企業者への支援においても大きなウェイトを占める支援施策であり、この支援を受けて
再生・活力を取り戻した企業も少なくないはずである。
これほどに我々中小企業支援機関にとっても中心的な支援施策になっている金融制度について、
なぜ借りにくいのかに焦点を絞り研究しその改善策研究に役立てたい。


背景その1:情報の非対称性
 ├@ 企業から提示される「決算書」が正しいかどうかを企業は知っているが、
 │ 金融機関は知らない。⇒
よって、正しい判断ができない。
 ├A 中小企業は「会計監査」を受けていない分、「決算書」に対する信頼性が低下する。
 └B 中には「決算書」が存在しないケースもある。
 
背景その2:担保不足
 └@ 情報の非対称性を解決するのが【担保】
   十分な担保があれば、情報の非対称性は問題にならない。
  
しかし、├そもそも不動産を持っている企業が少ない。
      └不動産を持っていても、すでに担保に供されているケースが多い。
 
背景3:信用割当
@ 情報の非対称があり、
A しかも、担保で補うことができない場合、
「信用割当」が発生する可能性がある。

※「信用割当」とは、企業が「金融機関が貸したいと思っている金利以上に高い金利」で借り
ようと考えているにもかかわらず、十分に借りることができない状態をいう。
 
背景4:貸し手の規模の経済
@ 貸し手にとって、融資に係る経費は一定程度ある。
A 大口融資ほど利益に直結しやすい。
B なぜなら、
  ア)小規模企業ほど資金需要が小さい。
  イ)小規模企業ほど審査に手間がかかる。